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日本神経回路学会 オータムスクール

ASCONE2010 『意識の実体に迫る』

Autumn School for Computational Neuroscience

2010年10月30日(土)〜 2010年11月2日(火) 東北大学片平キャンパス

【日本神経回路学会誌掲載】 開催報告 体験記: 柏瀬 啓起 福岡 要 今井 麻起子 杉浦 綾香

特別招待講演

下條 信輔(カリフォルニア工科大学)  “クオリア?〜心の主観と、行動/神経の客観”

「脳と心の神秘」を「脳と心の関係の神秘」という意味にとってよいなら、クオリア(感覚質)の問題こそ、その最たるものだろう。クオリア問題とは、たとえば「私の体験するこの赤い色の感覚質は、なぜ斯くのごとくなのか」という問題を指す。

クオリア問題は、本当にハードプロブレム(=科学の進歩で解け得ない問題)なのだろうか。ここでは心理物理学、神経科学における最近の瞠目すべき知見や現象―とりわけ知覚アウェアネスに関する行動、電気生理、神経病理の知見―を足がかりに、(1)クオリア問題が少なくとも部分的には擬制問題であること、(2)一枚岩のハードプロブレムに見えたものも、いくつかのイージープロブレムに分解し得るケースがあること、さらに(3)クオリアが解決不能な難問に見えた仕組みそのものも、生物学的/神経科学的/言語学的制約条件から了解可能であることを示したい。

講師

土谷 尚嗣(カリフォルニア工科大学)
どのように客観的な物理現象にすぎない電気化学活動である脳活動から主観的意識が生み出されてくるのかを明らかにしたい。具体的な研究としては、1)意識/無意識の心理実験課題の開発、2)それらの課題を行なっている被験者(サル/人間)から記録した脳活動の解析、3)そしてその解析手法の開発を行なっている。
金井 良太(University College London)
現在の興味は、脳内で生じる意識がもつ機能を、メタ認知的観点から研究することです。研究手法としては、TMS/tDCSなどの脳刺激法と信号検出理論を組み合わせて、脳内で視覚刺激が処理され意識にのぼる過程を調べたり、意識的知覚や注意のような認知能力の個人差を脳構造の個人差と結びつける研究をしています。
宇賀 貴紀(順天堂大学)
大学生の頃、ニューロン活動からどのように意識が生じるのかに興味がありました。しかし、研究の難しさから意識そのものではなく、意識される外界の脳内表現がどのように作られ、どのように読みだされるのかを研究するようになりました。複数のニューロンの振る舞いをベースに、知覚判断や判断の柔軟性がどのように実現されているのかに興味を持っています。
吉田 正俊(生理学研究所)
意識の脳科学を目指して、認知神経生理学(認知活動中の脳の活動を記録したり、脳に刺激を加えたり抑制したりする)と心理物理学(心理課題の条件を様々に操作することによって脳内過程を見つけ出す)と計算論的脳科学(環境と行動を操作して、脳内の計算過程をモデル化する)とを組み合わせた研究を脳損傷動物を用いて進めています。身体と環境を関係づける内部モデルの生成・維持が意識には不可欠という作業理論を持って研究を進めているところです。
渡辺 正峰(東京大学)
脳理論をベースに、心理物理、電気生理、非侵襲脳計測の手法により 「意識のニューラルメカニズム」の解明に取り組んでいます。 現在は「意識の仮想現実メタファー」に傾倒中。

講義スケジュール

特別招待講演以外は、1講師1トピックについて、 以下のスケジュールで行っていきます。
  1. 「事前知識レクチャー」(約1時間)
    問題意識までの導入を行います。 例えば、不思議な脳の現象などを紹介し、 その問題を考えるための材料を提供します。
  2. 「グループ討論・演習」(約2〜3時間)
    小グループに分かれて、提示された問題について自ら考えながら、 チューター、講師らと共に討論します。 最終的にそのグループの意見として全体に発表できるように、 意見をまとめていきます。
  3. 「グループ発表」(約30分)
    各グループで行った討論の結果を代表者が全体に発表します。
  4. 「レクチャー」(約30分)
    講師による解説を行います。

10月30日

12:30-13:00 受付


13:00-13:15 開催の辞

Lecture I “意識の神経メカニズムをめぐって(基礎編)”

講師: 渡辺 正峰(東京大学)

私たちが世界を見て、聴いて、触れる感覚(現象的意識)は如何なる神経メカニズムによって生じるのでしょうか?

本命題を科学的に問うにあたってその基礎となるいくつかの概念を紹介した後に、二つの意識のモデル「グローバルワークスペース」、「ダイナミックコア」を軸として、ここ20年の意識への実験的取り組みを紐解いていきます。さらには「生成モデル」と「意識の仮想現実メタファー」を結びつけることによって、意識を脳の計算理論によって扱うためのひとつの”叩き台”を用意します。

キーワード:
  • Global Workspace, Baars, B.J.
  • Dynamic Core, Edelman, G.M. & Tononi, G.
  • Generative Model, Kawato, M., Mumford, D.
  • Virtual Reality Metaphor of Consciousness, Revonsuo, A.
参考文献:
  • Baars, B.J. and J. Newman, A Neurobiological Interpretation of Global Workspace Theory. Consciousness in Philosophy and Cognitive Neuroscience, 1994: p. 211-226.
  • Tononi, G. and G.M. Edelman, Neuroscience - Consciousness and complexity. Science, 1998. 282(5395): p. 1846-1851.
  • Revonsuo, A. Prospects for a scientific research program on consciousness. In T. Metzinger (Ed.), Neural correlates of consciousness. Cambridge, MA: MIT Press. 2000
  • Kawato, M., H. Hayakawa, and T. Inui, A Forward-Inverse Optics Model of Reciprocal Connections between Visual Cortical Areas. Network-Computation in Neural Systems, 1993. 4(4): p. 415-422.
  • 渡辺正峰,「意識」. 村上郁也(編). イラストレクチャー 認知神経科学 −心理学と脳科学が解くこころの仕組み−. オーム社. 2010. pp.197-214.

13:15-14:15 事前知識レクチャー

14:15-16:15 グループ討論・演習

討論課題:“NCCのすこし上をいくために”
  • 意識のハードプロブレムに真っ向から挑むのは現段階では非 常に困難である。そこで、これをとりあえず棚にあげ、現象的意 識の神経表象とそれを支える神経システムが満たすべき条件 をあげてください。
  • 余力があるなら、上記条件を満たすモデルを提案してください。
  • さらに余力があるなら、上記モデルを検証する実験を考えてください。

16:15-16:45 グループ発表

16:45-17:15 解説レクチャー

17:30-17:45 Satellite Discussion の出題(全日程を通した討論課題)

意識の機能的意義は何か?

18:00-19:00 夕食

19:00-21:00 Welcome party

 
 
 

10月31日

Lecture II “Neuronal mechanisms of conscious visibility - contrastive approaches using ‘invisible’ stimuli”

講師: 土谷 尚嗣(カリフォルニア工科大学)

9:00- 10:00 事前知識レクチャー

Lecture
  1. Definition of consciousness (arousal vs contents of consciousness)
  2. Conscious vs non-conscious : contrastive approaches
    • Questions: Examples of non-conscious behaviors, neuronal processes? What are the functions of consciousness?
    • Related issues: Implicit vs explicit, attended vs un-attended, task-relevant vs task-irrelevant …
  3. Overview of neuroanatomical findings
    • Dorsal vs ventral areas
    • Feedforward vs feedback processing
    • V1 vs other areas
  4. Some reviews of binocular rivalry & continuous flash suppression
    • Findings from psychophys, neurophys, fMRI, EEG, MEG, ECoG

10:00-12:00 グループ討論・演習

Discussion & Project
  1. Experience CFS RT task (Tsuchiya et al 2009)
  2. Come up with new psychophysical experiments with CFS (combine with other techniques, using different stimuli, paradigms, modalities, etc)
  3. Come up with a specific hypothesis that can be tested with an electrophysiological experiment. Make concrete predictions. [By default, think about what would happen if we do a CFS RT in human while we record activity in V1 with ECoG from humans]

12:00-13:00 昼食

13:00-13:30 グループ発表

13:30-14:00 解説レクチャー

Follow-up lecture

  1. Commentaries on presentation.
  2. Results from ECoG exp in humans
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Reference:

Lecture III “注意の計算理論で盲視を調べる”

講師: 吉田 正俊(生理学研究所)

もしあなたがgoogleのwebサイトに行ったなら、まず最初に目が向くのはgoogleのロゴでしょう。これは白地の画面にカラーのGoogleのロゴはほかのものよりも目立つようにデザインされているからです。つまり、私たちの注意は自然とそこに向けられる。このような、視覚刺激だけによって規定される注意のことをボトムアップ性注意と呼びます。

本講義ではこのようなボトムアップ性注意の計算論的モデルとして、南カリフォルニア大学のLaurent Ittiによるサリエンシー・マップおよびベイジアン・サプライズをソフトウェアを動かして実際に計算してもらいます。ボトムアップ性注意と意識とが乖離する例として知られるいくつかのillusionに関して、じっさいにサリエンシー・マップおよびベイジアン・サプライズを計算して検証するのがメインの作業になります。

この講義では意識はボトムアップ性注意とは別ものであり、計算論的にも異なるものであるということを強調します。では意識とはなんなのでしょうか? 意識の計算論的モデルというものは可能なのでしょうか? 可能だとしたらどういうものなのでしょうか? 本講義はこういった議論を深めることに使っていただきたいと考えております。

さらに詳しい説明を講演者のサイトに作成したのでそちらをぜひご覧ください:「ASCONE2010:注意の計算理論で盲視を調べる」

また、本講義で行う実習では、無料のソフトウエアをインストールして実行する過程があります。詳しい説明を同じサイトに記載しましたのでこちらもごらんになって、あらかじめ準備をしておいてください。実習当日にセットアップしてるとそれだけで実習が終わってしまいますので注意。

15:00-16:00 事前知識レクチャー

16:00-18:00 グループ討論・演習

討論課題: どちらかを選んでください。
  • ひとつの静止画像または動画ファイルについてさまざまな設定でサリエンシー・マップを作成して、注意モデルについて考察してください。
  • 意識と注意とに関連する錯視の画像または動画ファイルのサリエンシー・マップを作成して、注意が意識にどう影響するかを考察してください。

18:00-19:00 夕食

19:00-19:30 グループ発表

19:30-20:00 解説レクチャー

21:00-24:00 ポスターセッション

11月1日

Lecture IV “知覚判断の神経メカニズム”

講師: 宇賀 貴紀(順天堂大学)

私たちの見る外界の世界は,視覚系の働きによって脳内での情報表現に変換されます.そして,この表現に基づいて,視覚的意識が生じ,適切な行動が行われます.この情報表現とは,結局のところ,多数の神経細胞の電気的な活動でしかありません.では,神経細胞群の活動から,どのようにして個体の知覚判断は導かれるのでしょうか?本講義では,比較的単純な奥行き弁別課題を遂行中のサルの神経活動データを基に,この問題を考えます.

参考文献
  • Uka T, DeAngelis GC (2003) Contribution of middle temporal area to coarse depth discrimination: comparison of neuronal and psychophysical sensitivity. J Neurosci 23: 3515-3530.
  • Britten KH, Shadlen MN, Newsome WT, Movshon JA (1992) The analysis of visual motion: a comparison of neuronal and psychophysical performance. J Neurosci 12: 4745-4765.
  • Shadlen MN, Britten KH, Newsome WT, Movshon JA (1996) A computational analysis of the relationship between neuronal and behavioral responses to visual motion. J Neurosci 16: 1486-1510.

9:00- 10:00 事前知識レクチャー

10:00-12:00 グループ討論・演習

プログラミング課題:データからニューロンの弁別閾値を計算せよ。
  1. 単一ニューロン活動から弁別閾値を計算せよ
  2. 2個のニューロンの集合から弁別閾値を計算せよ
  3. N個のニューロンの集合から弁別閾値を計算せよ
  4. ノイズ相関を持ったN個のニューロンの集合から弁別閾値を計算せよ
グループ討論課題:
  • ParkerとNewsomeの7つの提言をどのように拡張すると「意識」の理解に近づくか?
  • 弁別能力を向上させる方法を考えよ。

12:00-13:00 昼食

13:00-13:30 グループ発表

13:30-14:00 解説レクチャー

Lecture V “意識の測り方!?”

講師: 金井 良太(University College London)

15:00-16:00 事前知識レクチャー

16:00-18:00 グループ討論・演習

演習は4つのグループに分かれて行います。それぞれ、以下の問題のひとつについて、知識とクリエイティビティーを総動員して考えてください。

単に、理論的に考えているだけでは答えのでない問題なので、これらの問題について具体的な実験を提案してください。また、最終的に面白い提案に繋がるのであれば、問題自体も遠慮なく変えてください。

問題1:
意識はどの動物にあるか。単細胞生物に意識はあるか。ハエはどうか。 カラスやサルはどうか。ヒトでは何歳から意識があるか。 そして、どんな実験をしたら動物に意識があるかどうか判別することができるか。
問題2:
社会性の進化という観点からは、メタ認知の機能は社会的能力を実現するのに不可欠です。脳の進化の過程で、動物は意識を持つことでどのような機能を獲得したか。
問題3:
(実験課題)個人のメタ認知能力は前頭葉の一部の構造と相関していることが知られているが、脳を測らずに質問紙や他の行動課題で、最も個人のメタ認知能力を正確に予測することのできる要素はなにか。短気記憶の能力や、共感する能力などとの関係を調べよ。
問題4:
メタ認知を意識の判定の基準とする手法が提案されているが、意識とメタ認知は同一と見なして良いのか。どのような状況で乖離しうるか、implicit metacognitionはあり得るのか。

これらの問題を考えるきっかけになる参考文献を以下に挙げるので、基本的な概念をできるだけ習得しておいてください。講義では、これらの参考文献の一部について解説をします。

18:00-19:00 夕食

19:00-19:30 グループ発表

19:30-20:00 解説レクチャー

【参考文献リスト】
  • Bahrami, B., Olsen, K., Latham, P.E., Roepstorff, A. Rees, G & Frith, C.D. (2010). Optimally interacting minds. Science, 329, 1081‐1085.
  • Balduzzi, D. & Tononi, G. (2009). Qualia: the geometry of integrated information. PLoS Comp. Biol. 5: e1000462, 1‐24.
  • Balduzzi, D. & Tononi, G. (2008). Integrated information in discrete dynamical systems: motivation and theoretical framework. . PLoS Comp. Biol. 4: e1000091.
  • Byrne, R.W. (1996). Machiavellian intelligence. Evol. Anthrop. 5, 172‐180.
  • Carruthers, P. (2009). How we know our own minds: the relationship between mindreading and metacognition. Behavioural and Brain Science 32, 121‐138.
  • Clark, R.E. & Squire, L.R. (1998). Classical conditioning and brain systems: the role of awareness. Science, 280, 77‐81.
  • Clark, R.E., Manns, J.R., & Squire, L.R. Classical conditioning, awareness, and brain systems. Trends Cogn. Sci. 6, 524‐531.
  • Dunbar, R.I.M. (1993). Coevolution of neocortical size, group size and language in humans. Behav. Brain Sci. 16, 681‐735.
  • Fleming, S.M., Weil. R.S., Nagy, Z., Dolan, R.J. & Rees, G. (2010). Relating introspective accuracy to individual differences in brain structure. Science, 329, 1541‐1543.
  • Hampton, R.R. (2001). Rhesus monkeys know when they remember. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 98, 5359‐5362.
  • Hampton, R.R. (2009). Multiple demonstrations of metacognition in nonhumans: converging evidence or multiple mechanisms? Comp. Cogn. Behav. Rev. 4, 17‐28.
  • Kanai, R., Walsh, V. & Tseng, C.H. (2010). Subjective discriminability of invisibility: a framework for distinguishing perceptual and attentional failures of awareness. Conscious. Cogn.
  • Koch, C. (2004). The Quest for Consciousness: A Neurobiological Approach. Englewood, CO: Roberts & Company.
  • Kruger, J. & Dunning, D. (1999). Unskilled and unaware of it: how difficulties in recognizing one�s own incompetence lead to inflated self‐assessments. J. Pers. Soc. Psycho. 77, 1121‐1134.
  • Lau, H.C. & Passingham, R.E. (2006). Relative blindsight in normal observers and the neural correlate of visual consciousness. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 103, 18763‐18768.
  • Lau, H.C. (2008). A higher order Bayesian decision theory of consciousness. Prog Brain Res. 168, 35‐48.
  • Overgaard, M., Timmermans, b., Sandberg, K. & Cleeremans, A. (2010). Optimizing subjective measures of consciousness. Conscious. Cogn. 19, 426‐431.
  • Persaud, N., McLeod, P. & Cowey, A. (2007). Post‐decision wagering objectively measures awareness. Nat Neurosci. 10, 257‐261.
  • Persaud, N., McLeod, P. & Cowey, A. (2008). Commentary to Note by Seth: experiments show what post‐decision wagering measures. Conscious. Cogn. 17, 984‐985.
  • Seth, A.K. (2008). Post‐decision wagering measures metacognitive content, not sensory consciousness. Consious. Cogn. 17, 981‐983.
  • Smith, J.D. (2009). The study of animal metacognition. Trends Cogn Sci. 13, 389‐395.
  • Smith, J.D., Shields, W.E. & Washburn, D.A. (2003). The comparative psychology of uncertainty monitoring and metacognition. Behav. Brain Sci. 26, 317‐373.
  • van Swinderen, B. (2005). The remote roots of consciousness in fruit‐fly selective attention? BioEssays 27, 321‐330.
  • Tononi, G. (2004). An information integration theory of consciousness. BMC Neuroscience, 5, 42.
  • 金井良太著 『個性のわかる脳科学』(岩波科学ライブラリー)
  • クリストフ・コッホ (土谷尚嗣、金井良太訳)『意識の探求.神経科学からのアプローチ(上・下)』 (岩波書店)

21:00-24:00 ポスターセッション

11月2日

特別招待講演 “クオリア?〜心の主観と、行動/神経の客観”

講師: 下條 信輔(カリフォルニア工科大学)

9:00- 12:00

「脳と心の神秘」を「脳と心の関係の神秘」という意味にとってよいなら、クオリア(感覚質)の問題こそ、その最たるものだろう。クオリア問題とは、たとえば「私の体験するこの赤い色の感覚質は、なぜ斯くのごとくなのか」という問題を指す。

クオリア問題は、本当にハードプロブレム(=科学の進歩で解け得ない問題)なのだろうか。ここでは心理物理学、神経科学における最近の瞠目すべき知見や現象�とりわけ知覚アウェアネスに関する行動、電気生理、神経病理の知見�を足がかりに、(1)クオリア問題が少なくとも部分的には擬制問題であること、(2)一枚岩のハードプロブレムに見えたものも、いくつかのイージープロブレムに分解し得るケースがあること、さらに(3)クオリアが解決不能な難問に見えた仕組みそのものも、生物学的/神経科学的/言語学的制約条件から了解可能であることを示したい。

12:00-13:00 昼食

Satelite Discussion

意識の機能的意義は何か?

13:00-14:00 発表準備

14:00-14:30 グループ発表

Advanced Lecture “生成モデルと意識の仮想現実メタファー”

講師: 渡辺 正峰(東京大学)

14:30-16:00

今日の脳科学のレベルでは難攻不落とも言える「意識の神経メカニズム」にすこしでも迫るために、どのようなモデルが考えられるか?そこからいかなる視点、そして検証実験が生まれるか?その限界とは何か?。講義タイトルは私なりの立ち位置ですが、それにとらわれずに本スクールの集大成として、豪華講師陣含め参加者のみなさんと徹底的に議論させてください。

解散

運営

筒井健一郎(東北大学 生命科学研究科)
加藤 英之(理研BSI−トヨタ連携センター)
鮫島 和行(玉川大学 脳科学研究所)
酒井 裕 (玉川大学 脳科学研究所)
渡辺 正峰(東京大学 工学系研究科)
山本 慎也(NIH)

顧問

丹治 順 (東北大学包括的脳科学研究・教育推進センター)
銅谷 賢治(沖縄科学技術大学院大学 先行的研究事業)

共催

日本神経回路学会
「包括型脳科学研究推進支援ネットワーク」(文部科学省 科学研究費補助金)
東北大学包括的脳科学研究・教育推進センター
「ヘテロ複雑システムによるコミュニケーション理解のための神経機構の解明」 (文部科学省 科学研究費補助金)